伸縮水路管は絶対有効!活動性が上がる伸縮水路管付き「マギルス」
署ごとのはしご車選定方針
さいたま市消防局では桜消防署配備の30メートル級はしご付消防ポンプ自動車を更新し、2017年(平成29年)2月28日に配備した。新たに配備されたのはマギルス製30メートル級はしご車で、日野「プロフィア」8トン級シャーシをベースにモリタテクノスが艤装を担当した。
従前車両はモリタ製30メートル級はしご車で、配備から17年が経過し、同局の車両整備基準に沿っての更新である。また、配備後7年でメーカーにおいて梯体の1回目のオーバーホールを実施し、その5年後に2回目のオーバーホール、さらにその5年後に車両更新を行うことになっている。
さいたま市消防局では管内10消防署のうち10消防署へはしご車を配備しており、装備を担当する警防部警防課装備係・小川重治主査は「複雑多様化する災害に対応できるよう、さまざまな地域特性に合わせたはしご車を配備している」という。
それは高層建築物、鉄道の高架、狭隘路の有無などの条件により決まり、浦和消防署、大宮消防署には38メートル級はしご車を配備、それ以外の5署には30メートル級はしご車、3署には屈折式はしご車を配備する。また、30メートル級はしご車のうち1台は先端屈折式はしご車としている。(取材当時)
今回更新の桜消防署の場合、中高層建築物のある住宅街を中心に、危険物施設があり、鉄道の高架も通るという管内事情により、30メートル級直進式はしご車が選定された。
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水路管は必須
今回の更新にあたり、基本の30メートル級直進式はしご車という点以外に、まず必須装備として「伸縮水路管」を挙げた。
「梯上放水を実施する際、人の張り付きが確実に減る。桜消防署管内では過去に危険物施設火災における梯上放水を何度か実施しているため、水路管は必須と考えた」(警防部警防課装備係・罍嘉人主任)
まさに、地域特性に合わせた車両配備というわけだ。さいたま市消防局ではすでに伸縮水路管付きの直進式はしご車を1台導入しており、その効果が絶大なこともわかっていた。
このほか、車両としての見栄えにもこだわった。まずキャブとプラットホーム上のハイマウントロッカーの間に生じるデッドスペースは、梯体昇降用はしごを収めるスペースとして活用し、側板を設けたことにより、隙間を最小限にしている。また、バリオ式ジャッキが張り出す前後左右4カ所の車体すそ部についても、側板の切り欠きを最小限にとどめた。この結果、サイドビューは朱色が途切れることがない、いわば朱の一体感が生まれている。
さらに、この車両から車体色にメッキと黒色を導入した。これまでさいたま市消防局では消防車両にメッキが必要ないとの考え方により、徹底的に全面朱色塗装にしてきた。しかし、フロントグリル回りにメッキと黒色をワンポイント、ツーポイントで取り入れることにより消防車の顔がシャープな印象になっている。使うというよりも、ここに朱色塗装をしないという変更だが、塗装費用がかえって少なくなる結果にもなっている。
「非常に表情の締まった車両になり、とても気に入っている。もちろん、現場での梯体の操作性は速いの一言だ」(桜特別救助隊・秋吉勉隊長)
フロント
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外観
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右側面
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左側面
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キャブ・リア・基部
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さいたま市消防局 first appeared on 消防・レスキューの専門サイト「Jレスキュー」.